gardenquartz 小さな楽園
4人は黙々と食事をした。
それから、キャットが時々敵陣の偵察に姿を消した。
俺と修利は完全にお荷物状態で少々苛ついてた。
何度目かの偵察から戻ったキャットが言った。
『ここから南、約1キロ先に違うチームの夜営を見つけてきた。やはり何個かのチームと手を結んでいて、ターゲットは碧子さん。そこで、そのチームとさっき見つけたチームを戦わせて、相撃ちにさせるから、修利、一緒に来て手伝って。』
『俺は?』と自分を指差した。
キャットは溜め息をついて呆れた表情で俺に言った。
『良いかい。今回一番の大役はアンタなんだからね。碧子さんを死守しなきゃ。アタシがアンタをブチのめすからね!気を抜くんじゃないよ。』
そう言って、立ち上がり自分のバッグからお手製のペイント爆弾を5本取り出し、2本を修利に投げた。
筒の先にピンが付いている。
修利が物珍しそうに見てると、キャットが取り扱い方を教えた。
『いい?このピンを引っ張ったら5秒で爆発するからね。無駄にしないでよ。軽く30発はペイント弾が詰まってるんだから。さぁ。行くよ!』
修利は俺に頷いてキャットと闇に入っていった。
急に俺は不安になった。
俺達は完全に足を引っ張っている。
『なぁ。碧さん。俺達完全に足手まといじゃないのかな?』
碧さんはキャットから預かった、小型のボックスでSPのインカムの盗聴をしていて、地図に何やら書き込んでいたが、俺の言葉で手を止めて、俺を見た。
『使えない奴を私はゲームに誘わないわ。それに、あなた達に見込みが無かったら、キャットやディーンは何も言わず、あなた達をゲーム開始で最初にペイント弾を撃ち込んでたわ。』
そう言って。ニコリと笑った。
それでも、俺の不安な気持ちは無くならなかった。
『俺、つくづく平和ボケしていたヌルイ生活に浸ってたのを痛感してるよ。確かに、街では俺と修利はチッとは名前が売れてた。それなりに自信もあったしね…。でも、そんなもの、ここではなんの役にも立たない…。』
碧さんはスッと俺の直ぐ横に座った。
そして、ゆっくりなだめる様に言った。
『今回が特別なだけよ。それに私は和樹を頼りにしているのよ。ガッカリさせないで。』
俺は碧さんを見つめた。
チリッ!
何かが俺の神経に伝わった。
俺は素早く土を火の所にかけ、火を消して、碧さんを草むらに隠し、息を潜めた。
何だ?!この緊張感は!!
何かが来る!
息を殺し、気配を消しているが、ピリピリした感覚がドンドン増してゆく。
カサリ…。
草が揺れた。
風が無いのに揺れたのは危険。俺は碧さんの居る
反対の草むらに身を隠した。
碧さんは完全に気配を消している。
俺は息を整え、揺れた草の方向に集中した。
『俺だ。坊や。』インカムから声がした。
ディーンだ!
俺は全身から緊張が抜けた。
首を捕まれて俺はビクリとした。
ディーンだった。
碧さんもインカムを聞いていて、草むらから出てきた。
『もう、火を焚くのはよせ。目を暗闇に慣らさせろ。今夜は月が出てるんだ。その明かりで見える様にしとけ。』
ディーンが小声で言った。
目が月明かりに慣れてきて、ディーンを見てギョットした。
マントは無く、変わりにアチコチ濡れている、俺はそれが血だと分かるのにさして、時間はかからなかった。
碧さんが、ディーンに駆け寄り傷の具合を調べた。
ディーンはその手を払って言った。
『大丈夫だ。オチビちゃん。準備は整った。後は、このボタンを押せば全てが終わる。俺からのプレゼントだ。』
そう言うと、小さな蓋のついたボタンを碧さんに渡した。
俺は自分のバッグから黒のバンダナを取り出し、二の腕の所にキツク縛った。
ディーンの左の腕からの出血が一番酷かったからだ。
ディーンは今度は大人しく俺のやることを見ていた。
『よう。坊や。今の気配の消し方上手かったぞ。
なぁ。坊や。誰だって初めはオタつくもんさ。こればっかりは、経験していかないとどうしようもない事だからな。
お前は、俺に似てる。お前ならオチビちゃんを任せそうだ。』
ディーンはニヤリと笑った。
心から喜んでいる笑顔だった。
碧さんは俺達を静かに見ていた。
月が雲に隠れた。
辺りは暗闇に包まれた………。
3人の息遣いが闇夜に微かに息衝いていた…。
それから、キャットが時々敵陣の偵察に姿を消した。
俺と修利は完全にお荷物状態で少々苛ついてた。
何度目かの偵察から戻ったキャットが言った。
『ここから南、約1キロ先に違うチームの夜営を見つけてきた。やはり何個かのチームと手を結んでいて、ターゲットは碧子さん。そこで、そのチームとさっき見つけたチームを戦わせて、相撃ちにさせるから、修利、一緒に来て手伝って。』
『俺は?』と自分を指差した。
キャットは溜め息をついて呆れた表情で俺に言った。
『良いかい。今回一番の大役はアンタなんだからね。碧子さんを死守しなきゃ。アタシがアンタをブチのめすからね!気を抜くんじゃないよ。』
そう言って、立ち上がり自分のバッグからお手製のペイント爆弾を5本取り出し、2本を修利に投げた。
筒の先にピンが付いている。
修利が物珍しそうに見てると、キャットが取り扱い方を教えた。
『いい?このピンを引っ張ったら5秒で爆発するからね。無駄にしないでよ。軽く30発はペイント弾が詰まってるんだから。さぁ。行くよ!』
修利は俺に頷いてキャットと闇に入っていった。
急に俺は不安になった。
俺達は完全に足を引っ張っている。
『なぁ。碧さん。俺達完全に足手まといじゃないのかな?』
碧さんはキャットから預かった、小型のボックスでSPのインカムの盗聴をしていて、地図に何やら書き込んでいたが、俺の言葉で手を止めて、俺を見た。
『使えない奴を私はゲームに誘わないわ。それに、あなた達に見込みが無かったら、キャットやディーンは何も言わず、あなた達をゲーム開始で最初にペイント弾を撃ち込んでたわ。』
そう言って。ニコリと笑った。
それでも、俺の不安な気持ちは無くならなかった。
『俺、つくづく平和ボケしていたヌルイ生活に浸ってたのを痛感してるよ。確かに、街では俺と修利はチッとは名前が売れてた。それなりに自信もあったしね…。でも、そんなもの、ここではなんの役にも立たない…。』
碧さんはスッと俺の直ぐ横に座った。
そして、ゆっくりなだめる様に言った。
『今回が特別なだけよ。それに私は和樹を頼りにしているのよ。ガッカリさせないで。』
俺は碧さんを見つめた。
チリッ!
何かが俺の神経に伝わった。
俺は素早く土を火の所にかけ、火を消して、碧さんを草むらに隠し、息を潜めた。
何だ?!この緊張感は!!
何かが来る!
息を殺し、気配を消しているが、ピリピリした感覚がドンドン増してゆく。
カサリ…。
草が揺れた。
風が無いのに揺れたのは危険。俺は碧さんの居る
反対の草むらに身を隠した。
碧さんは完全に気配を消している。
俺は息を整え、揺れた草の方向に集中した。
『俺だ。坊や。』インカムから声がした。
ディーンだ!
俺は全身から緊張が抜けた。
首を捕まれて俺はビクリとした。
ディーンだった。
碧さんもインカムを聞いていて、草むらから出てきた。
『もう、火を焚くのはよせ。目を暗闇に慣らさせろ。今夜は月が出てるんだ。その明かりで見える様にしとけ。』
ディーンが小声で言った。
目が月明かりに慣れてきて、ディーンを見てギョットした。
マントは無く、変わりにアチコチ濡れている、俺はそれが血だと分かるのにさして、時間はかからなかった。
碧さんが、ディーンに駆け寄り傷の具合を調べた。
ディーンはその手を払って言った。
『大丈夫だ。オチビちゃん。準備は整った。後は、このボタンを押せば全てが終わる。俺からのプレゼントだ。』
そう言うと、小さな蓋のついたボタンを碧さんに渡した。
俺は自分のバッグから黒のバンダナを取り出し、二の腕の所にキツク縛った。
ディーンの左の腕からの出血が一番酷かったからだ。
ディーンは今度は大人しく俺のやることを見ていた。
『よう。坊や。今の気配の消し方上手かったぞ。
なぁ。坊や。誰だって初めはオタつくもんさ。こればっかりは、経験していかないとどうしようもない事だからな。
お前は、俺に似てる。お前ならオチビちゃんを任せそうだ。』
ディーンはニヤリと笑った。
心から喜んでいる笑顔だった。
碧さんは俺達を静かに見ていた。
月が雲に隠れた。
辺りは暗闇に包まれた………。
3人の息遣いが闇夜に微かに息衝いていた…。