gardenquartz 小さな楽園
キャットと修利は碧さんの野営の場所に戻った。
しかし、焚き火の火が消えている事に不信感を抱いて、修利に姿勢を下げろと合図して、慎重にテントに忍び寄った。


『よう。派手なパーティだったな。』


キャットは驚き上を見上げた。


そこにはディーンが木の上に座っていた。
キャットと修利は緊張を緩めて言った。


『まぁね。退屈だったから、いい暇潰しよ。そっちはどうなの?』


ディーンはニヤリと笑い親指を立てた。


木陰から俺と碧さんが姿を表した。
修利は俺の所に来て、キャットとやって来たことを話してくれた。



ソコに神経を逆撫でする音が聞こえた。
ゲームの途中経過と全滅したチーム名の発表の知らせだ。



とその放送の最中俺達が最初に出くわしたチームの場所から派手な音が聞こえてきた。


放送が中断した。


キャットが『ククク……』と笑い声を抑えていた。


ディーンは無表情でそれを見ていた。


さっき修利達が襲撃したチームとやり合っているらしい。



明かりが光ったり消えたりして派手な打ち上げ花火が、地面で爆発した様な感じになっている。


不意にディーンが皆に静かにしろとジェスチャーをしながら、上を指差した。


人影が崖の上に見えた。
2人だ。


ドンパチの様子を見ていた。
暫くその場に居たが、やがて影は消えた。


キャットは改造した自分のインカムから、SPの盗聴の内容を聞いて心底嬉しそうに俺達に言った。

『どうやら、3分の1は始末できたみたい。』


碧さんが付け加えた。
『つまり、雑魚ね。これからが、大変そうだわ。少人数でしかも、用心深く、恐らくこのゲームを知り尽くしている奴等を相手にしなければならない。』


『あぁ。』
ディーンが答えた。


キャットの目がキラリと光ったのを誰も見てはいなかった。






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