gardenquartz 小さな楽園
碧木は至って冷静に行動していた。
考える前に本能に従った。
そう訓練された。


先ず、4人を分散させるか、混乱させて、乱さなければ、こちらが1人だと悟られない様にしながら動かなければ。


リーダーらしき男の指示に従い、他の3人は塊になりジリジリと移動しながら周囲を警戒している。



ガサリ…。



藪で音がした。

4人と碧木は音のした藪を見た。
4人のうちの1人がペイント弾を藪に数発撃ち込んだ。



反応がない。



もう1人の男が藪の中に入った。

3人は藪に集中した時、碧木はペイント弾を男達に向けて撃った。



ピーピー!!


3人の死亡宣告音が鳴った。
2人の男は後頭部。
リーダーらしき男は背中にペイント弾が弾けた。


『出て来なさい!』
碧木は藪の中の男に言った。



物音がしない。しかし、碧木は体勢を崩さず、再度同じ言葉を言った。



『出て来なさい!』



ピーピー!!


不意に死亡宣告音が鳴った。



ガサリと出てきたのは両手を上げた和樹だった。



碧木はゆっくりと銃を降ろした。



2人は声を出さず笑った。




2人は同時に森の中を走り抜けていった。
まるで、ツガイの獣の様に……。





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