掟破りな彼女。~甘々な先輩と、意地っ張りなあたし~
「…うん」
ほとんど声にならない声で頷いて、あたしは屋上から出て行った。
…あたし、ちゃんと笑えてたかな?
[陸サイド]
「はぁ…」
「陸、お前女みたいになってんぞ?」
「凛ちゃんに会えないなら、どうでもいい…」
…そう。
あの日以来、オレは凛ちゃんに全く会えていない。
同じ学校なんだからすれ違うくらいはしそうなのに、そんなことは全く無かった。
それが、予想以上に悲しくて。