掟破りな彼女。~甘々な先輩と、意地っ張りなあたし~
ーぎゅううっ…
「凛ちゃん大好きーっ!!」
教室の真ん中で、あたしを抱きしめた。
…と同時に、周りから聞こえてくる、冷やかしの声。
「は、早く行きますよっ」
みんなからの視線が恥ずかしくて、先輩の腕を掴んで歩き出す。
「凛ー、後から報告ねー♪」
明るい口調の彩とは正反対に、彩への“報告”の怖さを知っているあたしは身震いした。
*****
ーチリリン…っ♪
「いらっしゃいませー」
先輩が連れて来てくれたのは、この間のデートの時に入ったお店と同じくらいオシャレなカフェ。