空の彼方、想い焦がれる
野中くんはモテている。


そして、学年の女の子達が目を光らせていたのも何となく気づいていた。



そして、4年生にもなると、周りも恋バナをするヒトが増えていて、あの人はあの子が好きなんじゃないかとか、あの子とあの人は両想いなんじゃないかとか、そんな話がいつも飛び交っていた。



その話の中のひとつ、
「実波ちゃんは野中くんが好き」



とんだ迷惑だった。本人の耳にも入っていただろうと思う。



避けられることも増えてしまった。




他に野中くんのこと好きな子、たくさんいたのに。



そして、何故だかいじめが起こった。




席替えがあると、隣になった男の子はわざと離れたり、近くによろうとしなかったり。



その頃から、不良と呼ばれる男の子や女の子も出てきて、不良の男の子から、放課後に殴られたこともあった。



女の子からも避けられ、私はひとりぼっちになった。



幼馴染みのはるみちゃんは、同じクラスになったこともなく、5年生の途中で引っ越すことになり、私の幼馴染みは一人もいなくなってしまう。
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