空の彼方、想い焦がれる

退学~そして入学

夏休みの間に仕事を見つけた。


喫茶店の仕事だった。



初めてのバイトだった。社会がなんたるかも責任も何もかもわからなかった17才の時。



本当にたくさんの迷惑をかけてきた。



厳しさ、楽しさ、責任、今までは考えていなかったことをここで教わった。



私の勤務は朝から夕方まで。夕方になれば、高校生のバイトの子を含めた遅番の人たちが来る。




それを毎日見ていたとき、ふと学校に行きたいと思うようになった。17の秋だった。



「学校に行きたいです」




相談したのは、中学の時の先生。



そうしたら、定時制の高校を紹介してくれた。



だけど、編入試験は終わっていて、2年生から始めたいのなら来年を待たないといけない。


普通の入試はまだ終わっていない。1年生からだったら入れる。


私に与えられたのは、その2つの選択肢だった。



考えた末、来年編入試験を受けても結局同じことだから、1年生から入ることにした。



この決断が、私の人生の一度目の岐路だったに違いない。
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