空の彼方、想い焦がれる
小学生になると、給食や身体測定、体育、移動教室等で、動き回ることが増えた。



そのときに楽しみができた。



名簿が近くて、いつも隣だった東野くん。



移動のときは、隣の子と手を繋いで行かなきゃいけなくて、他の子達は嫌がったり照れたりで、指だけ繋いでいたりした子もたくさんいたけど、私と東野くんは、いつもニコッと笑って手を繋いでいた。



あの笑顔が優しくて、移動教室がたのしみだった。



小さな小さな初恋で、実るとか実らないとか、なんにも考えずに、純粋に初めて異性にたいしてドキドキした瞬間だった。



東野くんといつも一緒にいた野中くん。




実は野中くんの方がモテてたんだけど、私は東野くんが大好きで、よく一緒に話している野中くんが羨ましくて仕方なかった。


可愛い嫉妬だったんだろうな。




後に、私は野中くんのことが好きになることなんて、その時は考えてもいなかった。
< 6 / 28 >

この作品をシェア

pagetop