空の彼方、想い焦がれる
小学3年生。


クラスが変わり、2年間のメンバーはみんな変わった。


同じ人ももちろんいたけど、ほとんどが変わった。



その時に仲良くなったのが、近所に住んでいたゆきちゃんと、双子の兄弟のゆうやくんとかずやくん。



ゆうやくんがお兄ちゃんで、かずやくんが弟。



二人は一卵性の双子だったから、端から見たら見分けがつかなかった。



だけど、一緒に遊んでいるうちに、見分けがつくようになった。それがなんだか、私の自慢だった。


ある日、四人で近所の児童動物園に行くことになった。




小さいときは、カップルごっことか、恋人ごっことかで、男女二人になってみるのに憧れていて、その時もそうしようってなって、私はゆうやくんと、ゆきちゃんはかずやくんと行動することになった。



ゆうやくんとかずやくんのことは、「ゆうくん」「かずくん」と呼んでいた。



ゆうくんは、とても穏やかで優しい男の子。かずくんは穏やかと言うよりも明るくて元気なイメージ。



そこで好きになるとかならないとかはなく、とりあえず男の子と二人で歩くことに何となく照れてしまって、ドキドキしていた。



そんなことが増えていて、四人で下校することも増えた。



その時に好きなヒトがどうだとかって話になって、ゆきちゃんがすかさずゆうくんにコソコソっと耳打ちしたあと、顔を真っ赤にして、言うなよー!!!って追いかけてた姿を見た。



それを見て、ゆうくんの好きなヒトが誰だかわかった。



私のことだった。



かずくんも、それを見て私の方をみてにやっとしていたから。



正直、両想いだったんだと思う。



だけど、なんだかくすぐったいと言うか照れ臭いというか....


そんな感情を、嬉しいってとらえることができず、気持ち悪いと思ってしまって、私はそれからゆうくんのことを避けるようになってしまった。






しばらくして気付いたときにはもう遅くて、私は気持ちを伝えることもできず、その時に初めて「後悔」という気持ちを知った。
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