もし僕がロボットになっても
意味がわからなかった。
友達ができる意味も、彼女を作る意味も。

ある日、けんじに連れられてネオンの光る町の中、ピンクの文字でヘルスと書かれた看板の怪しい店につれていかれた。
風俗店だ。ピンク色の店内で、女のあえぎ声がモロに聞こえる空間。なんとも異様な空間だった。
個室に案内される。そこで僕が待っていると、女が入ってくるなり、ズボンを下げられ、なすがままだった。

風俗嬢「はじめてなんですか?」

僕「え、えーっと、はい。」

ぎこちなく会話を続けて、あっという間に行為は終わってしまった。

出口へ向かうと女が手を振って見送ってくれた。
けんじと僕は店をでた。

寒い外の空気が漂う中、けんじが僕にニタニタして聞いてきた。

けんじ「なあ!どうだった?」

僕「え、なんか一瞬だった。」

けんじ「それを聞いてんじゃねーよ。ぶぁーか!!!!女がどんなのかだっただけだよ。オレが知りたいのは!!!お前の感想はどうでもいいんだよ!」

僕「あ、そうか。んーまあ、かわいい感じの子だったよ」

けんじ「はー?マジかよーうわー最悪!俺のクソババア」

僕「そうなんだ?」

けんじ「思い出させないでくれ笑」

僕「自分で喋ったんじゃん・・・。」
するとけんじが頭を一発しばいてきた。
そんな会話をしながら僕たちは帰宅した。

そして僕はそこで初めて女という生き物に触ってしまった。覚えているのは童貞をなくしたと同時に女は気持ちのいい生き物だ。ということだった。

それから僕は柄にもないけれど、けんじには内緒でその快感だけを求めて同級生の女子と付き合ったりした。

最初の彼女はみほ。
色白で華奢な女の子だった。
別に感情はないけれど、僕はやりたいがために、みほには優しくした。デート代も全部僕がだす。すんなりやらせてくれた。
当然彼女は、尽くす僕に大喜びしている。

放課後、彼女とベランダで話しているときに、彼女がふいに言った。


みほ「お金持ちっていいね!おこずかいなの?いつもおごってもらって悪いなぁ…」


僕「え、いや…」


とまどう僕に間髪いれずにみほが喋る。

みほ「あ、ごめん!違うよね!バイトだよね?お金持ちでもそんな甘くないよね。ごめんね、失礼なこと言って!」

僕「…いや、そんなことないよ!そう。バイトしたんだ!」

これが二つ目の嘘のはじまりだった。

僕は父の財布からお金を盗んでいるなんて言える訳もなく適当に話を合わせた。

僕「そうなんだよ。結構店長がうっさくてさー」
ありもない話をした。

そして、そんな放課後の時間がすぎていった。
< 10 / 128 >

この作品をシェア

pagetop