もし僕がロボットになっても
そんな頃、琴美は本当は理解者を求めてさ迷っていた。

琴美の店には、僕が昔追い回された組のヤクザの親分が来店していた。

琴美は嘘をつくのが嫌いだった。

だから、だれに対しても優しかった。
愛されたいだけ…

だから、自分の人生をも他人に委ねてしまう。

僕たちは似ていたから他人を自分のものにしたかったのかもしれない。
たった一つ大切なものをどこにも行かないように、独り占めしたくて。
他人が無意識に他人をコントロールする。
悪の連鎖の始まりは終わらなかった。
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