もし僕がロボットになっても

追われる日々

そしてそれから、毎日のように借金の取り立てがくるようになる。玄関には金返せなど嫌がらせの紙が貼られている。
酷いときには朝から晩までドアをけりとばされて怒鳴られた。

ヤクザ「おい、クソガキ。いるんだろ」

ヤクザ「借りたかねは返してもらうからな。居留守してんじゃねーぞ」

ドアを蹴ったり容赦なかった。

潤平はゴクリと、喉のなる音さえも抑えながら部屋の片隅で小さくなって息を潜めていた。

毎日、毎日、朝から晩まで、家から一歩もでることが出来ず、見はられていた。

こんなもの、絶対に払いたくない。

浅はかな潤平はただ逃げよう。そうすれば何とかなる。そう考え、真っ暗に閉めたカーテンから少し外をのぞき辺りを見わたしてみる。大きな通路にはやくざが一人、小さな路地付近にはチラホラと張りをされていた。

そんな中、路地の片隅に目を反らすとフェンスの辺りに隙があるではないか。
隣のフェンスからだったら逃げられるかもしれない。
そう思い、潤平は変装をして夜が更けるのをまった。窓の近くに誰もいないことを確認して一気に隣のフェンスに、二階の窓からロープを伝って外へでた後侵入した。

カシャ…
フェンスの音が微妙に鳴った。

微かな音だったにも関わらず、辺りが静まり返っていたために見つかってしまった。

やくざ「あっ!いたぞ!捕まえろ!」

後ろから三人組のやくざが追いかけてきた。
潤平は全速力で逃げていた。パジャマのまま、裸足のまま無我夢中で走り続けた。しかし、そんなにうまくいくはずもなく、他のやくざから先回りをされ、前を塞がれてしまった。
そして、潤平はなぜか地面にふせて泣いていた。

もう、終わりだ…

潤平は捕まえられた後、理不尽な借用書にサインをさせられた。それから毎月巨額の借金を払わなければいけなくなってしまった。先の事さえみえないまま…。
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