もし僕がロボットになっても

ホスト

潤平はそんな眠れない夜を忘れるかのごとく、一件のホストクラブで働くこととなる。

せめて、美しい景色を一時だけでいい。
そう思った。
潤平が求人から見て応募した店はとある有名な店だった。

あなたの夢のために応援します。


最低日給一万円から。努力次第で毎月のお給料が変わります。


赤く書かれた文字が沢山ならんでいた。
そんな言葉にひかれて潤平は面接にいくことになった。新宿歌舞伎町で待ち合わせをし、一人の迎えにきたホストに連れられて店内にはいる。
そこは今までみたことのない光景がひろがっていた。
男が女にひざまずき、ダウンサービスを行う。今までの潤平にはありえない、想像するだけで嫌気がさすようなそんな光景だった。

そんな光景に唖然としながらも店の奥へと案内をされた。

黒いソファーに腰かけて座った。
ぱっと机を見ると何やら店のきまりが書かれた紙が用意されていた。見ようと手をのばした時、ガチャっとドアが開いた。そこにはどっしりと構えた少し小太りの男がいた。
どうみてもただのデブだった。ただ、なんとも言えない強さとその場にいる人を凍らせるような冷たい瞳をもっていた。
男は淡々と僕に質問を投げ掛けてくる。

男「経験はありますか?」

僕「ないです、初めてです。」

男「お酒はのめますか?」

僕「多少なら」


そして男は数秒間無言で潤平の目をみつめた。なぜだかわからないが少し背筋が凍った気がした。
そして…男は潤平にいった。

男「わかった。帰っていいよ。後日連絡しますので、連絡先と名前だけかいてってください。」

机においてある店の名刺に連絡先をかかされて
自宅にかえされた。
面接おちたんだろうな。
明日の借金をどうしようと、潤平はただひたすら考えていた。

< 26 / 128 >

この作品をシェア

pagetop