もし僕がロボットになっても
僕がまさととして働き始めてから、約一ヶ月半の月日がたっていた。
相変わらずの毎日の借金の取り立てと悪夢は変わらなかった。ただ、この店で働いてから少しずつ指名客ができるようになっていた。

潤平はこの店ではまさとという名の別の人格で働いていた。
まさとはこの一ヶ月半の間はるみを徹底的に観察をしていたのだ。
はるみは僕よりも8個年上の女性だった。

僕は一度だけはるみに質問をしたことがあった。
僕「ねぇ、どうして僕を指名したの？」

はるみは静かに答える。

はるみ「えー？なんだろう。ぎこちないところが弟みたいだったから。」

そう言われたのを覚えていた。

僕はまさととして、はるみへ弟のように甘えてみた。
するとはるみは喜びながらなんでも僕の言うことを聞く。
時には悲しくもないのに嘘の涙を流してみたり、いろんなことを試して徹底的に観察した。
はるみは世話をやくのが好きな女だ。迷惑をかけてふりましてやればいい。そう僕は次第にとらえていた。
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