もし僕がロボットになっても
そして僕は直人と親密になりながらさりげなく情報をききだしていた。

直人から、はるかの情報をききだすのはたやすいことだった。

この情報をくれれば10万やる。
まさとは直人を金で吊った。
毎日ラーメンばかり食べて汚い寮で暮らす直人を金で吊ることくらい簡単だった。

世の中金だ。そうつくづく思い知ったのだ。
人は金で裏切るものだ。

まさとははるかの金の出所を聞き出した。
はるかはヤクザの愛人をしているらしい。しかも相手は僕の幼馴染みのけんじの父親の愛人だった。僕はそんなはるかの弱点を掴んだ。

どうせ…この女もヤクザ利用してるだけだ。
俺とやってることは同じだな。と思ったのだ。


けんじの父親といえば黒い噂のたえない組長だ。こんな組長を怒らせたらマトモな神経じゃいられないだろう。そう考えた。

「さーて、ショーターイム」
そう言って部屋で大音量でベートーベンの喜びの歌を流していた。

はるかの弱味をにぎり脅して強引にゆうことを聞かせることにした。
まさとは龍二が寮に遊びにきて寝ているスキに直人に龍二のスマホでアプリをダウンロードしてもらった。
龍二のスマホの解除パスワードなど仲のいい直人には覗き見くらい簡単だ。
だから僕の考えたパスワードとidを入力して指定したアプリをダウンロードしてもらう。
ただし龍二のメールに届くパスワードとidは絶対に消せと命令した。そしてまさとは謝礼金は成功したら一ヶ月目給料の30パーセントを直人にあげると約束した。

まさとの計画は完璧だった。
最近の世の中は実に便利だ。
悪用次第でいくらでもアプリが犯罪行為に役立つ。監視カメラなんてつけなくても遠隔操作で他人の居場所を特定したり写真撮影だって可能だった。

僕は自宅にいながら龍二とはるかが抱き合う写真や盗聴など証拠になりそうなものは全てかき集めた。
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