もし僕がロボットになっても

僕に似た君

潤平はそれからあい子の代わりに、あい子の姿を探すみたいに、違う女とつきあったりした。
だけど、どうしてだろう。いくら綺麗な人やあい子にそっくりな人と付き合っても潤平があい子と一緒にいた温かさや、楽しさをかんじることは一度もなかった。

そんな中、潤平はあい子に認めてもらうかのごとく自ら会社をたちあげる。
嘘をついていた、せめてものつぐない…

だけど、こんな他人の感情すらくめない潤平に会社を経営するなんて、出来るはずもなかった。仕事はすべて部下任せ。裸の王さまだった。
また、多額の借金をせおうことになる。

社員は言う。
「社長！このままじゃ会社が倒産します！」

その度に潤平は決まった台詞を吐き出す。
「大丈夫だ。俺に任せとけ！」
根拠もないプライドだけで作られた中沢潤平に、当然人がついてくるなんてありえなかったのだ。
経営の中身は全て人任せ。次第に不信感が募り、多額の借金をした上に、最後は社員に現金を持ち逃げされたのだ。


そんな潤平を見かねたのか、一人の女社長が潤平の会社を買収し、潤平の事を世話する。と言った。
潤平はその女に買われた。そして潤平はその女性と結婚をし、穏やかな孤独が流れる毎日を過ごした。