もし僕がロボットになっても
琴美
琴美が生まれた家庭は世間から見たら気づきもしない、何の変化すらないそんな普通の家庭に見えていたのかもしれない。
琴美は幼い時に父と離れた。琴美が保育園に入る頃にしか見た記憶はない。
琴美の母はいつも自分の都合だけで今を生きていた。そんな琴美の父は琴美の母があまりにも自分に都合のいいように生きるから、若いときに琴美を生んでから、父親として生きていく自分に疑問ばかり感じていた。
だから琴美の父は琴美の母と毎日のように喧嘩ばかりしていた。二人ともいつも自分の主張ばかりをする。
次第にそんな琴美の父にいやけがさした琴美の母は別の男に浮気をして、ある日一家が暮らす家から姿を消す。仕事から帰宅をした父はなんにもなくなった、誰もいない自宅に孤独を感じ、いつの日か麻薬に手を染めるようになる。そして、日々の薬の量は減るわけもなく、ある日琴美の父は薬でおかしくなったまま壁に頭をうちつけて死んでしまった。そんな琴美の父を時々思い出すこともなく、琴美を連れては複数の男の家を転々とする。琴美の母は琴美が自分の言うことを聞かなければ、暗闇の中外に琴美を閉め出した。泣いても決して家の中にいれることはなく、泣けば琴美に対して

母「うるさい、黙れ。」
そう言って琴美を自分の言うことをきくまで何度も殴り続けた。時々鼻血を流したりすることも何度だってあった。
そして、事あるごとに母にこういわれていた。

母「あんたなんか生まれてこなきゃよかったのに。
あなたは拾われた子だからね。
お前は顔がブスだ。デブだ。」

そんな否定ばかりを毎日のように言われていた。


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