キミの空になりたい
第1章

夏空の下のキミ



「これから小テストを返すが、合格点である20点を越えていない者は、放課後、補習授業だからな」



6月の終わりがもうすぐそこまできている。


これから本格的な夏の暑さが始まるというのに、今日も午後の日差しがきつい。


そんな中、帰りのHRで先生がそう言ったものだから、教室中が不満の声でいっぱいになる。



「文句言うなー。お前ら受験生だぞー」



答案用紙を見せながら、不満の声を一蹴する先生。


みんなはブツブツ言いながら、順番に受け取りに行く。



「えー。放課後に補習とかヤダなー」



前の席に座っていた、くるみが振り返ってため息をついた。


私もウンウンとうなずきながらそれに同意する。


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