キミの空になりたい
意外な関係
「できたーっ!」
自分の部屋。
1000羽目の鶴を折り終えて、私は両手をあげた。
そのまま、腕を伸ばして、大きく伸びをする。
テスト勉強の合間に、ちょこちょこと作っていた、くるみへの千羽鶴。
地方大会開幕はもう明後日にまで迫っている。
「……はぁ」
伸びをした後、力が抜けて、机に突っ伏した。
最後に折り終えた、白い折り紙の鶴。
それをそっとつまんで、ため息をつく。
あの日、上原君に言われた事はくるみには話していない。
上原君も、何事もなかったかのように私と接してくれるし。
私がごまかしたから、涌井君の事は、本当にカン違いだったんだって、思ってくれたのかもしれない。