キミの空になりたい


でも、見ていたら目立っちゃうかなー?


何より、上原君に見つかったら、ごまかした事が水の泡になっちゃうような気がする。



「じゃ、明日メールするからね」


「うん。練習頑張ってね……」



とは言ったものの、くるみが練習するわけじゃない。


でもまあ、同じような物だから、間違ってはいないよね?


くるみは手をヒラヒラとさせて、教室を出て行った。



テストが終わった事で、教室からみんなが出て行くのも早かった。


気がつけば、日直は黒板掃除をしているし。


窓の外を見れば、涌井君と上原君が並んで、野球部の部室へ向かう姿が目に入った。


< 110 / 341 >

この作品をシェア

pagetop