キミの空になりたい
「あ、そうそう、汐音ちゃんー」
「ん?」
出て行ったドアから、涼子ちゃんが思い出したように戻ってきた。
「汐音ちゃんは、明後日の野球部の試合、見に行く?」
「えっ?」
涼子ちゃんの言葉にドキッとした。
何でそんな事を聞いてくるんだろう……?
もしや、私が涌井君を見ている事がバレた?!
「くるみちゃんと仲がいいから、見に行くのかなーって」
全く考えていなかった。
平日なら学校があるから見に行けないけれど、一回戦は日曜日。
見に行く事は可能だ。
「あー、うん。そうだねー……」
そうは言うものの、肝心な試合会場を私は知らない。