キミの空になりたい
私もこんな風に、女の子らしく振舞えたなら、涌井君に振り向いてもらえたりするのかな?
……そんなのは無理か。
私が涌井君を好きになる前から、彼には彼女がいるのだから。
「日曜日、県営野球場で9時からだよ」
涼子ちゃんは顔を上げてそう言った。
県営野球場は、学校からも近い。
最寄りの駅は隣の駅。
家から、自転車で行ける。
「そうなんだー」
「うん。8時半ころに入口で待ち合わせでいい?汐音ちゃんは電車?」
「ううん。自転車で行く。涼子ちゃんは?」
「私も自転車ー」
そっか。
涼子ちゃんも自転車なら、家が近いのかな?