キミの空になりたい
「ごめんね、上原君……」
わざわざ私のために、くるみの仕事を引き受けてくれるなんて……。
申し訳なさそうに言うと、上原君は首を横に振った。
「いいっていいって。たまには、カッコいいとこ見せないと」
「なーに言ってんだか」
気取ったように言った上原君に、くるみはアハハと笑いながら彼の背中をたたく。
「そんな事しなくったって、じゅうぶんカッコいいよ……」
「ん?今、何か言った?」
「ううん。何でもないない。じゃあ、汐音、私すぐ着替えてくるから、日陰で待っててよ?」
くるみはそう言って、部室の方へと走って行ってしまった。