キミの空になりたい
「あれー?藤波さん、俺には言ってくれないの?」
「あ、上原君も頑張ってね……」
今の上原君の言い方もイジワルだ。
私が涌井君にしか声をかけなかったのが悪いんだけど……。
「アハハ。頑張るよ」
おかしそうに笑って、上原君は涌井君と並んで行ってしまった。
2人の後ろ姿を見送りながら、
「はあ……」
とため息をついてしまう。
ヤバいな、私……。
このままだと、誰かにバレちゃいそう。
私が、涌井君の事を好きだっていう事が……。