キミの空になりたい


「……くるみのために、作ってみた」


「えー?なになにー?」



目をキラキラと輝かせながら、くるみは紙袋を受け取り、中を開ける。


そして、手を入れて中から千羽鶴を引っ張り出した。



「……野球部にあげた物よりグレードダウンしちゃうけど、くるみも野球部のために頑張っていたし、何よりも一緒に戦う野球部の一員だから」


「汐音……」


「昨日、神社で必勝祈願もしてきたから。明日は頑張ってね。応援しに行くから」


「汐音、ありがとう……!」



くるみの目から涙がポロポロとこぼれ落ちる。


< 145 / 341 >

この作品をシェア

pagetop