キミの空になりたい
しばらく眺めた後、くるみは千羽鶴を紙袋にていねいにしまった。
「……なんか緊張しちゃう」
「そうだよね。1年に1度の夢への挑戦だもんね」
くるみのつぶやきに同調しながらうなずく。
みんな今まで、そのために毎日汗を流して頑張ってきたんだもの。
マネージャーのくるみでさえ緊張しちゃうんだから、試合に出る人たちはもっと緊張しているよね。
「私、明日は声を張り上げて応援するからね!」
「……汐音、ありがとう」
ポンとくるみの背中をたたいて、私はそう言った。
とにかく緊張を吹き飛ばすには、声を出す。
これに限る!
私はいつもそうだったから、明日は声を出して応援しよう。
涌井君まで届くように……。