キミの空になりたい
自転車をこいで、県営野球場についた。
所定の場所に自転車を止めて、待ち合わせの場所へ急ぐと、すでに涼子ちゃんがそこにいた。
だけど、1人じゃない。
「あ、汐音ちゃん!こっちこっち!」
私に気が付いて、大きく手を振る涼子ちゃん。
涼子ちゃんと話していた子もこちらを向く。
「……わ」
その子は、桃高の制服を着ていた。
思わず声が出てしまったけれど、ちょっと遠目で見た姿なのに、その子がすごく可愛い子なんだってわかった。
近づいて行くにつれて、それはさらに確信に変わる。
サラサラっとした長い髪に、色白の肌。
手足は細くて長いし、スタイルも抜群。