キミの空になりたい
それじゃ、お互い、嫌いになって別れたわけじゃないんだ……。
涼子ちゃんの話を、くるみもそばで静かに聞いていた。
涼子ちゃんは、私が涌井君の事を好きだって知らないから、世間話のノリで教えてくれたのだろう。
くるみは、そんな中、ポンとさりげなく私の背中をたたいた。
私は、小さく何度もうなずく。
……こういう日がくるって覚悟はしていた。
涌井君の持っている、あのお守りの存在を知った時から。
だけど、どうして綾美ちゃんなんだろう?
あんなに可愛くて、お姫様みたいな子が相手じゃ、絶対にかないっこない。