キミの空になりたい
あの時、すれ違った子だったんだ……。
まさか、涌井君のために贈る千羽鶴用のミニ折り紙を探していたなんて、夢にも思わなかった。
「……え、汐音ちゃん?どうしたの?!」
私を見た涼子ちゃんが慌てたような顔をした。
もう限界に達していたみたい。
涙がボロボロとこぼれ始めた。
私がくるみに一つ一つ想いをこめて折ったように、綾美ちゃんは心をこめて、涌井君にあのお守りを贈った。
その姿を想像したら、もうガマンなんかできなくなったんだ……。
「汐音……」
「ごめん……ごめんね」
私は涼子ちゃんに謝りながら、ゴシゴシと目をこする。
だけど、涙は止まってくれない。