キミの空になりたい
「……汐音ちゃん。ごめんね、もしかして、涌井君の事……」
「……」
さすがにこれでは誰もが気づくだろう。
涼子ちゃんの顔が、青くなっていくのがわかった。
私はコクリとうなずく。
「やだ、知らなかったとはいえ、無神経でごめんね!」
「ううん。言ってなかったから。それに、覚悟はできてた……」
慌てて謝る涼子ちゃんに私は静かに言った。
涙をぬぐって、一度空を見上げる。
まぶしいくらいの太陽に、目を細めた。
「上原君に言われた事があるの」
「……上原君に?」
私が言うと、涼子ちゃんではなく、くるみのほうが先に反応した。