キミの空になりたい


私は3人に手を振って、自転車置き場に向かって歩き出した。


よかった……。


今度は涙が頑張って、とどまってくれた。


せっかく止まって、今笑えたんだもん。




「うっ……」



自転車置き場に着くとこらえきれなくなって、泣いてしまった。


何であんなにお似合いなの?


何で、今でも想い合っているのに、付き合わないの?



心の中でいくつも問いかけるけれど、答えは何一つ帰ってこない。



「……っ」



自転車をこぎながら、私は泣いた。


風を切って、涙が飛んでいく。


帽子を深くかぶっているので、誰も私が泣いている事には気が付いていない。


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