キミの空になりたい
今日は大丈夫だったよね?
だって、2本しかヒットを打たれなかったんだもん。
対戦相手は桃高。
多分、綾美ちゃんが応援に来ている事を知っていたんだと思う。
多くの声援より、お守りをくれたたった一人の声援の方が欲しかったはず。
もちろん、彼女は相手チームの応援席にいたから、大っぴらには応援できなかったわけだけど。
それでも、自分の姿を見てくれる、綾美ちゃんのために頑張ったに違いはない……。
「……ふっ」
体が震えて、涙がまたあふれだす。
……ダメだ。
あきらめようとすればするほど、想いがつのる。