キミの空になりたい
「……強いな、藤波さん」
「え?」
意外な事を言われた。
私が……強い?
どうして、そう思うの?
昨日、私が泣いたところを見ているはずなのに。
「……俺なんか何度あきらめようとしたかなー」
「……は?」
急に、フッと自嘲的な笑みを浮かべてつぶやいた上原君。
私は不思議に思って、首をかしげた。
「そうだよな、理屈じゃないよな……」
「……うん」
自分に言い聞かせるように言った上原君だったけれど、私は同調するようにうなずいた。
「うん、わかった。やめたほうがいいとか、余計な事を言ってごめんな」
「……そんな事ないよ。私が傷つかないように、言ってくれたんでしょ?ありがと……」
私が言うと、上原君はいつものようにハハッと笑った。