キミの空になりたい
上原君はそのまま部室に行き、私は教室へと向かった。
「汐音ちゃん……!」
「あ、涼子ちゃん、おはよう……」
教室に入るなり、涼子ちゃんが駆け寄ってきた。
「汐音ちゃん、昨日は本当に……」
「涼子ちゃん、ゴメンね。私、ズルい事したよね」
涼子ちゃんの言葉をさえぎって、私は先に謝った。
「そんな事は……」
「覚悟はしてたんだけど、まさかあんなに可愛い綾美ちゃんが、お守りの主だとは思わなかったから、ビックリしちゃって」
「汐音ちゃん。……涌井君の事、諦めたほうがいい」
涼子ちゃんは意を決したように、そう告げた。