キミの空になりたい
見に行けないけれど、勝ってくれたらいいなぁ。
返された、結果が散々なテストを抱えて、私は窓の外を見つめてため息をついた。
「汐音ちゃん、一緒に帰ろ?」
帰りの支度をしていたら、涼子ちゃんに声をかけられた。
同じクラスになってから、涼子ちゃんと一緒に帰った事は一度もない。
だから、誘われた事にすごく驚いた。
……でも、もしかしたら、昨日の事があったし、気にしてくれているのかなとも思う。
「うん、帰ろう?」
カバンを肩にかけて、私はうなずいた。
2人で並んで、昇降口まで向かう。
「試合……どうなってるかね」
「……そうだね。勝つといいんだけど」
私が言うと、涼子ちゃんはスマホを取り出してうなずいた。