キミの空になりたい


私もスマホを見てみたけれど、くるみからの連絡はまだない。


今の時間がちょうど試合の時間。



「……あ、勝ってるよ」


「え?本当?」



涼子ちゃんが見ていたスマホを思わず覗きこんでしまう。


高校野球地方大会、試合速報。


ただ今、8回表の四葉台高校の攻撃中。


スコアは、6-1で四葉台が勝っている。



「拓馬がホームラン打ったって。……涌井君も」


「え?すごい……!」


「……うん。残念だったよね、見に行けなくて……」



涼子ちゃんはそう言ってスマホをしまった。


その横で私は小さくうなずく。


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