キミの空になりたい
そういえば、試合終わったのかな……。
さっき靴を履きかえる前に見た時は、8回表攻撃中だったから、もうそろそろ終わってもいい頃だよね。
そんな事を考えていたら、涼子ちゃんの方から電子音が聞こえて来た。
とっさにブレーキをかけて自転車をとめた涼子ちゃん。
私も自転車をとめる。
「もしもし?……あ、本当?おめでとう。ホームラン打ったんだよね?速報で見た」
どうやら、電話の相手は五十嵐君のようだ。
嬉しそうに頬を紅潮させながら話す涼子ちゃん。
ああ、いいなぁ……。
そんな涼子ちゃんを見ていたら、私の方のスマホも鳴った。