キミの空になりたい
マネージャーの思い
目を閉じれば、あの日の光景が浮かんでくる。
真剣なまなざしで真っ直ぐ前を見つめ、ボールを投げる姿。
帽子をとって、流れる汗をぬぐいながら、空を見上げる姿。
太陽に照らされてキラキラと輝いていたキミ……。
「汐音ー。授業終わったよ?」
「……へっ?」
頬杖をついて教科書を見ていたら、くるみにトントンと机をたたかれた。
顔を上げると、授業をしていた先生の姿はすでになく、教室内も休み時間に入っていてにぎわっていた。
……ヤバい。
私、全然授業を聞いていなかった。
ノートもとっていないし!
「汐音、どうかした?ここ数日、ボーっとしている事が多いみたいだけど……」
心配そうに聞いてきたくるみ。