キミの空になりたい
「あ、これこれ。やっぱり買っちゃおうかなー。お揃いになるけど」
「全然いいよー。お揃いの相手が私なんかでよければ」
「えー、じゃ、買っちゃう。ちょっと待っててー、買ってくる」
私と色違いのペンケースを手にして、涼子ちゃんがレジへと向かう。
その後ろ姿を見ながら、思わずクスッと笑ってしまった。
ペンケースの棚から、違う場所へと移動する。
雑貨屋さんって、見ているだけで楽しいから好き。
こんな風に雑貨に囲まれた生活って、ステキだろうなぁ……。
「……あ」
店内の色々な場所を見て回っていたら、見つけてしまった。
小さな野球ボールのついた、キーホルダーを。