キミの空になりたい
思わず手にしてしまう。
それは本当にシンプルなものだった。
白い野球ボールの形をした、キーホルダー。
そのコーナーには、テニスボールやバスケットボール、サッカーボールの物もある。
他にも、野球のバットだったり、グローブだったり。
テニスのラケットもあった。
私は、野球ボールのキーホルダーを手にして、レジに向かう。
「あれ?汐音ちゃんも何か買ったの?」
「うん、ちょっとね……」
会計を終えて、涼子ちゃんはレジから少し離れていたから、私が買ったものは見えなかったみたい。
店員さんに小さな袋に入れてもらった後、それを私はカバンの中に入れた。