キミの空になりたい


このキーホルダー。


どこか見える場所につけていたら、野球部に好きな人がいますって公言しちゃっているものかな?


そんな深読みする人は、いないか……。



「……え」


「どうかした?涼子ちゃん」



雑貨屋さんを出たところで、涼子ちゃんが足を止めた。


私が不思議に思って問いかけると、彼女はなぜか固まった表情をしている。



「どうしたの……?」



涼子ちゃんが見ている方向に視線を向けて、私も驚いてしまった。



桃高の制服を着た綾美ちゃんが、涌井君ではない男子高生と並んで歩いていたからだ。


< 204 / 341 >

この作品をシェア

pagetop