キミの空になりたい
このキーホルダー。
どこか見える場所につけていたら、野球部に好きな人がいますって公言しちゃっているものかな?
そんな深読みする人は、いないか……。
「……え」
「どうかした?涼子ちゃん」
雑貨屋さんを出たところで、涼子ちゃんが足を止めた。
私が不思議に思って問いかけると、彼女はなぜか固まった表情をしている。
「どうしたの……?」
涼子ちゃんが見ている方向に視線を向けて、私も驚いてしまった。
桃高の制服を着た綾美ちゃんが、涌井君ではない男子高生と並んで歩いていたからだ。