キミの空になりたい
「よう、岡島。久しぶりじゃん」
「……金子。相変わらず、軽そうね」
イケメン男子は、涼子ちゃんの事を知っているみたいだった。
話しかけられて、涼子ちゃんは嫌な顔を露骨に出している。
「うわ、何その嫌そうな顔。お前、中学の時からそうだったよなー。高校3年になってもまだその顔するかー?」
「だって金子の事大嫌いだし」
「アハハ。そんな事言っちゃってー」
金子君……と呼ばれたイケメン男子は、涼子ちゃんの吐いた毒をまともに受け取っていない。
笑って流した。
「綾美。何で金子と一緒にいるのよ?」
「帰る方向一緒だし、金子君に誘われたから……」
綾美ちゃんの答えに、はあっと盛大なため息をついた涼子ちゃん。