キミの空になりたい


この状況がいまいちつかめず、私は黙ったまま、涼子ちゃんと金子君を見る。



「岡島の友達?俺、綾美の彼氏の金子」


「はい、ふざけないー」


「あー、ごめん。綾美の彼氏候補ナンバー1だった」



涼子ちゃんにツッコまれて、金子君が言いなおす。


どっちにしても、すごい事を言っちゃっているけど……。


当の綾美ちゃんは、聞き慣れているのか、首をかしげて苦笑いするだけ。



「ごめんね、汐音ちゃん。金子も中学が一緒でさー」


「あ、そうなんだ……?藤波汐音です」



名乗ってから、私はペコッと頭を下げた。


綾美ちゃんの彼氏候補ナンバー1とか言っているけど、涌井君と付き合っていた事、知っているんだよね?


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