キミの空になりたい
「ちょっと、金子!今度は汐音ちゃんにちょっかい出さないでよね!」
「え?ひどいなー。ちょっとしゃべってただけじゃん」
綾美ちゃんと話しが終わったのか、涼子ちゃんがすごい剣幕で金子君を引っ張った。
金子君はアハハと笑いながら、綾美ちゃんのとなりに並ぶ。
「んじゃ、綾美、そろそろ行こうぜー」
「うん。じゃあ、またね、涼子、汐音ちゃん」
ヒラヒラと可愛く手を振る綾美ちゃん。
金子君と綾美ちゃんは並んで行ってしまった。
……やっぱりお似合い。
もちろん、涌井君と並んでいた時もお似合いだって思ったけれど……。
「……綾美、今日が涌井君の試合だって知らないな……」
「……え?」
ポツリと苦い顔でつぶやいた涼子ちゃん。