キミの空になりたい


「……見てて飽きない?」


「え?全然。今まで見た事なかったし」



私の答えに、涌井君はまた吹き出す。


その顔好きだなぁ。


もちろん、キリッとした顔も好きだけど、不意に笑うその顔が好き。


あんまり見せてもらえないけど。


綾美ちゃんはきっと、色々な涌井君の表情を知っているんだろうね。


……悔しいなぁ。


今、綾美ちゃんよりも涌井君の近くにいるのは私なのに。



「あ、そうだ。今日ホームラン打ったんだって?すごいね!それから、2回戦突破おめでとう」


「ありがとう……」



ハハッと笑う涌井君。


もしかして、照れているのかな……?


学校じゃ、マネージャー以外、あんまり女の子とこんな風に話しているの、見た事ないから慣れないのかな?


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