キミの空になりたい
すがれる物があるのなら、すがっておく。
きっとそんな状態に違いない……。
「3回戦、これで乗り切るよ。本当にありがとう。……藤波さんに情けないところばかり見せてごめんな」
「いいよー。弱音吐き出す場所も大事だし。私でよかったら、いくらでも受け止めるよ?」
エヘヘと笑うと、涌井君もフッと笑う。
涌井君はきっと、気づいていないんだろうなぁ。
私が涌井君に好意を持っているからこその言葉だって。
好意に気づいた時、涌井君は私を拒否し始めるのかな……?
そうなったら、嫌だな……。
失恋するのは仕方がないけれど、今のこの状態は壊したくない。