キミの空になりたい
あとひとつ
それから、私は毎日、夕方4時になると、四葉台西公園にいた。
ありがたい事に、雨は一度も降らないで、涌井君との時間を楽しむことができた。
涌井君は、ここでの投球練習をあまりしなくて、ほとんど私とバカ話で盛り上がる事が多くなってきていた。
初めて話してから一ヶ月もたっていないのに。
女子とほとんど話をしなかった涌井君だけど、それがウソみたい。
学校でいる時とは違って、意外と天然入っているし、おバカなエピソードをたくさん持っていたなんて知らなかった。
「それで大輔が、見回りに来た監督を見て、ビビって悲鳴あげるしさー」
「上原君が?!意外と臆病なんだね!」
合宿中に、怖い話で盛り上がっていた時の話をしてくれた涌井君。
私はおかしくて、手をたたいて爆笑。