キミの空になりたい
空はもう、日が沈み、オレンジ色から段々と暗い色に染まっていく。
……金子君と綾美ちゃんの事、話せなかった。
綾美ちゃんは、明日、応援に来るのかな……?
もう夏休みに入ったし、きっと来るよね。
試合の日程を知らなくても、きっと涌井君が見に来てくれって、綾美ちゃんに伝えるはず。
私、明日、笑っていられるかな?
「……頑張れ、私……っ!」
覚悟を決めて、涌井君を好きでいるんだから、泣いちゃダメ。
笑うんだ……絶対に……っ!
3回戦、第2試合。
先攻は四葉台高校。
後攻は梅里高校だった。
「ふはー。緊張するねー。しっかり声出さないと、ヤバそう」
隣でメガホンを握る涼子ちゃんは、不安そうにつぶやいた。