キミの空になりたい
……でも、これで、涌井君は綾美ちゃんと幸せになれるんだ。
3年前に後悔した事を、2度と繰り返さないために。
いつかはこんな日がくるって、覚悟を決めていたんだから、今さら傷つくのはおかしいよ。
それとも、わかっていたのに、涌井君との距離を詰めたのが間違いだったの……?
苦しいよ……胸が痛くて。
でも、やっぱり、好きな気持ちは止められなかった……。
「それじゃ、汐音ちゃん。お疲れ様」
「うん、涼子ちゃんもお疲れ様」
今日は自転車置き場でお別れ。
五十嵐君と帰るらしい。
野球部が出てくるまで、涼子ちゃんは待つみたいだけど、私は帰る事にした。
この前のように、涌井君に駆け寄る綾美ちゃんの姿を見たくなかったんだ。