キミの空になりたい


綾美ちゃんが来ていたのかどうかは、涼子ちゃんも話さなかった。


でも、どっちにしても、今日はきっと、涌井君は綾美ちゃんと会うはず……。





「……何でここに来ちゃったかなー」



真っ直ぐ家に向かって、自転車を走らせていたはずなのに、着いた場所は四葉台西公園。


そういえば、1回戦の時も気づいたら神社にいたんだっけ。


思い出の場所に来たって、何もないのにね……。



「……バカだな、私は」



そうつぶやきながら、自転車をとめる。


相変わらず誰もいない公園。



今が一番暑い時間帯。


太陽は真上にある。


誰もいなくて、当たり前か……。


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